特に最近、お問い合わせを頂くのが、80年代頃のフレームの再塗装です。
そんなフレームに多いのが、「下地にメッキ処理」です。
そこで今回、その「メッキ」についてお知らせします。
以前にもお知らせしたように、メッキ上の粉体塗装は基本的に受けていません。
塗膜の密着性能がメッキ表面に依存するため、不安定なためです。
△問題点△
- 粉体塗料がメッキに密着したが、メッキが素材と剥がれてしまう。(剥離)
- 粉体塗装の熱処理中にメッキ下の有機質が湧き出てしまう。(発泡)
- メッキ下の錆びにより空間ができ、熱処理中にふくれあがる(剥離)
- 前処理として「足付け」のためのブラストによりメッキがムラに剥がれる。
では、その処理について紹介します。
ブラストにより、塗膜を完全に剥がします。完全にです。
剥離後の塗膜下はこのようになっています。
チェーンステーとその周辺がメッキ処理されています。
このまま剥がれてしまえば良いのですが、ブラストだけでは大変な時間がかかってしまいます。
そこで「メッキ剥離」と言う処理工程に入ります。
「電解剥離」と言うものです。
薬品と電気を使ってメッキを剥がします。
メッキが完全に剥がれると、このような表面になります。
部分的に腐食が残っているのは、かなり長期間腐食状態だった事が伺えます。
チェーンステーもシッカリとメッキが剥がされています。
その後、これ以上腐食しないためにも、完全に水抜きをし、乾燥後最終的なブラスト処理をします。
このようにして、一度、完全に素地状態にしてから初めて粉体塗装の塗膜性能がいかせます。
もちろん、カドワキコーティングでは「メッキ残し」も承っていますが、溶剤による低温の焼き付け塗装になります。
過去のケースを紹介していますので、ご覧ください。
剥離したケース→DE ROSA
剥離しなかったケース→3RENSHO
次回は、最終処理のアルミナについて、お知らせします。
By UKAI